デスクトップPCの種類を大きく分けると、以下の4種類に分類されます。
今回はそれぞれのタイプのメリット、デメリット、適した使用方法について解説します。
セパレート型デスクトップPC
ここではあえて「セパレート型」と表記していますが、一般的に「デスクトップPC」と呼ばれるのはこのタイプのものです。昔からあるスタンダードなタイプで、ディスプレイとPC本体が別々になっています。PCケースのサイズも、省スペース型、ミニタワー型、ミドルタワー型など様々なサイズがあります。自作PCを組む場合はほとんどが、ミニタワー型、ミドルタワー型になります。
最近のセパレート型デスクトップPCの傾向としては、「3.5インチHDDからM.2 SSDへの転換」「5インチDVDドライブレス化」などにより、大幅な省スペース化に成功しています。したがって、グラフィックボードの付いていない事務用・一般用のPCは昔と比較すると驚くほどサイズが小さくなっています。
逆に、ゲーム用・クリエイター用のPCは年々、大きくなる傾向にあります。理由は、グラフィックボードの巨大化です。年々、グラフィックボードのサイズが大きくなっているので、それに比例してケースのサイズも大きくなっています。
基本的にグラフィックボードを載せるか否かでケースのサイズ(奥行)が変わりますが、「大は小を兼ねる」と言うように、タワー型の大きなケースにもグラフィックボードが載っていない機種も存在しています。
セパレート型デスクトップPCの利点
- パワフルで高性能。
- メンテナンス・パーツ交換がしやすい。トラブル時に修理対応がしやすい。
- ディスプレイとPC本体をそれぞれのタイミングで買い替えられる。
- 冷却性能が優れている。排熱処理が得意。
- ゲームやクリエイティブ作業などの重い作業に向いている。
- 拡張性が高い。周辺機器をたくさん繋げられる。
セパレート型デスクトップPCの欠点
- 場所を取る。配線がゴチャゴチャする。
- 電気代がかかる。
- ディスプレイ、マウス、キーボード等、周辺機器も買い揃えないといけない。
セパレート型デスクトップPCの適した使用用途
セパレート型デスクトップPCはパワフルな上に冷却性能が高いので、ゲームや動画編集などの重い作業に向いています。ゲームをする場合は、このタイプ一択です。他のタイプを購入すると後悔することになります。
セパレート型の最大の利点は、パーツを交換しながら長期間使用することが可能なことです。事務系のPCでこのタイプが多く採用されているのは、故障時に対応しやすいことが大きな理由です。
これからデスクトップPCを購入しようと計画中の方には、このタイプをおすすめします。
おすすめのセパレート型デスクトップPC
一体型デスクトップPC
画面とPC本体が一体になっているパソコンです。家電量販店で販売されているデスクトップPCの多くが、このタイプです。一体型PCを形容するならば、「バッテリーの付いていない画面の大きなノートパソコン」といったところだと思います。ディスプレイの裏にノートPC用のマザーボードが格納されているとイメージしていただければ分かりやすいと思います。実際にノートPC用の省電力版のCPUが採用されていることが多いです。
一体型デスクトップPCのメリット
- 場所を取らない、スタイリッシュ。
- 配線が電源コード一本のみで取り回しが楽。
- Wi-Fi、Bluetooth、スピーカー等が最初から搭載されている。
- マウス・キーボードもセットで付いてくる。
一体型デスクトップPCのデメリット
- カスタマイズ出来ない。出来てもメモリ増設程度。
- 故障した場合、分解するのが難しい。
- グラフィックボードが付いていないので、重い作業には向いていない。
- ディスプレイが故障したら、パソコンごと買い直さないといけない。
- テレビ付きなど、無駄な機能が搭載されていることがある。
- グレアパネル(光沢液晶パネル)を採用した機種が多い。
一体型デスクトップPCの適した使用用途
PC初心者やライトユーザー向けです。ご家庭でYouTube、Amazon Prime Video、Netflixなどを見たり、Word・Excelファイルを作成編集するのに適しています。ゲームや動画編集は基本的に出来ないと思っておいたほうが良いです。イラスト作成や音楽制作程度ならギリギリ出来ると思います。
一体型PCはグレアパネル(光沢液晶パネル)を採用した機種が多いので、購入する際は注意が必要です。グレアパネルの利点は「店頭に並べた際に、なんとなく見た目がかっこよく見えるので売れやすい」程度で、使用者にとっては何一つ良いことはありません。長時間の作業で目が疲れたり、画面が暗転すると自分の姿が映り込んだり、角度によっては天井の照明が反射することもあります。本当に良いことは何一つないです。購入する場合は「アンチグレアパネル(非光沢液晶パネル)」の機種を購入することをおすすめします。
おすすめの一体型デスクトップPC
ミニPC
最近、ミニPCの勢いがジワジワと伸びています。このタイプのPCを形容するならば、「バッテリーとディスプレイの付いていないノートパソコン」といったところだと思います。ここ数年でモバイル用パーツの性能が格段に上がったので、一般的な用途であればミニPCでも十分すぎる性能を発揮してくれます。
ミニPCのメリット
- 場所をとらない。持ち運びできる。
- 電力消費が少ない。
- 安い製品のラインナップが豊富。
ミニPCのデメリット
- 中国産の怪しい製品が多い。
- ケースが小さいので、パーツの増設がほぼ出来ない。
- 熱を持ちやすいので高負荷な作業に向いていない。高負荷時ファンの音がうるさい。
ミニPCの適した使用用途
WEB閲覧用、動画視聴用などの軽い作業のみに使用方法を限定すれば十分な性能を発揮してくれます。場所を取らないので、リビングのテレビに繋いで家族共用のPCとして使ったり、またはサブPC的なポジションで使うのに適しています。ミニPCの中にはゲームも出来るような高性能な機種も存在しますが、排熱処理が苦手な上に、価格もセパレート型と比較してもそれほど変わらないので、高負荷な作業を行う場合はセパレート型のほうが良いと思います。
おすすめのミニPC
スティックPC
スティックPCをデスクトップPCの中の一種として分類して良いかは怪しいところではありますが、ディスプレイが付いていないので、一応デスクトップPCとしておきます。
Amazon Fire TV Stickの中にWindows OSが入っているようなイメージで捉えていただければ分かりやすいかと思います。
スティックPCのメリット
- ディスプレイに挿すだけで使用できるお手軽さ。省電力。
- 持ち運ぶことに特化。ノートPCよりもお手軽。
- ファンレスタイプの場合は、動作音が静か。ファン付きの場合はうるさい。
スティックPCのデメリット
- 熱を持つので壊れやすい。寿命が短い。
- 動作が遅い。保存容量が少ない。
- 故障した場合はほぼ修理不可。
スティックPCの適した使用用途
使用用途はかなり限定されると思います。例えば、会議用・講義用のプロジェクタに接続したり、デジタル広告のディスプレイに接続するなど。メインマシンとして使う場合は、スティックPCよりもミニPCのほうが良いです。熱を持ちやすく、壊れやすいため「2~3年使えればラッキー」くらい割り切って使うなら良いかもしれません。
おすすめのスティックPC
なし