Microsoft Office(Microsoft 365)がサブスクリプションベースに移行したことで、多様なプランが乱立し、利用者にとって非常に分かりにくい状況となりました。そこで、本記事ではOfficeアプリの最適な選択方法についてまとめたいと思います。
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目次
永続版とサブスク版のメリット・デメリット
Microsoft Officeアプリには永続版の「Microsoft Office」とサブスク版の「Microsoft 365」の2種類があります。まずは永続版とサブスク版のそれぞれのメリット・デメリットを挙げていきます。
Microsoft Office(永続版)のメリット
- 買い切り商品で追加料金が必要ない。
- 従来通りのOfficeで安心感がある。
- 長く使えば使うほどランニングコストが下がる。
Microsoft Office(永続版)のデメリット
- サポート期限が存在する。サポート終了後はアプリが更新されない。
- 新しいバージョンに移行することができない。
- 新機能が追加されない。Officeアプリ内でAIを活用することができない。
Microsoft 365(サブスク版)のメリット
- 常に最新バージョンを使用することができる。
- One Drive 1TB分のクラウド領域が付帯する。
- 追加料金でAI機能を使える。
Microsoft 365(サブスク版)のデメリット
- 使用台数が少ない場合は割高になる。
- 契約が自動更新されるので、手動で解約するまでは延々と引き落とされる。
- 今後また値上げされる可能性がある。(既に2023年6月に値上げ済)
- 長く使えば使うほど支払う総額が増える。
永続版とサブスク版の機能比較
次に永続版とサブスク版に搭載されているアプリやサービス内容を比較していきます。
Microsoft Office(永続版)の機能比較
永続版 | Microsoft Office Personal(永続版) | Microsoft Office Home & Business(永続版) | Microsoft Office Professional(永続版) |
Outlook | ◯ | ◯ | ◯ |
Word | ◯ | ◯ | ◯ |
Excel | ◯ | ◯ | ◯ |
PowerPoint | ✕ | ◯ | ◯ |
Access | ✕ | ✕ | ◯ |
Publisher | ✕ | ✕ | ◯ |
One Drive | ✕(無料版5GBまで) | ✕(無料版5GBまで) | ✕(無料版5GBまで) |
Copilot Pro | ✕ | ✕ | ✕ |
インストール台数 | 2台まで | 2台まで | 2台まで |
参考価格(税込) | ¥37,700 | ¥43,980 | ¥75,650 |
Microsoft Office(永続版)にはOutlook・Word・Excelがすべてのバージョンに搭載されています。
PowerPointが不要な人は「Microsoft Office Personal」を選び、
PowerPointが必要な人は「Microsoft Office Home & Business」を選びましょう。
また、PowerPointに加えてAccessやPublisherも必要な人は「Microsoft Office Professional」を選びましょう。
Microsoft 365(サブスク版)の機能比較
Microsoft 365には多くのプランがありますが、この記事では個人ユーザーが関心を持ちそうなプランのみを取り上げます。Basic版(WEBアプリのみ)や企業向けのBusiness Premium版は除外します。なお、法人向けプランも個人で契約可能です(2024年4月現在)。
サブスク版 | Microsoft 365 Personal(個人) | Microsoft 365 Family(個人) | Microsoft 365 Business Standard(法人) | Microsoft 365 Apps for business(法人) |
Outlook | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Word | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Excel | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
PowerPoint | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Access | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
Publisher | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
One Drive | ◯ (1TB) | ◯ (最大6TB) | ◯ (1TB) | ◯ (1TB) |
Clip Champ | ◯ | ◯ | ✕ | ◯ |
Copilot Pro | ◯(購入可能) | ◯(購入可能) | ✕ | ◯(購入可能) |
ユーザー数 | 1 人(5台まで) | 最大6人 | 1 人(5台まで) | 1 人(5台まで) |
月額(税込) | ¥1,490/月 | ¥2,100/月 | ¥1,360/月 | ¥2,061/月 |
年額(税込) | ¥14,900/年 | ¥21,000/年 | ¥16,320/年 | ¥24,732/年 |
※上記の表を見てもお分かりかと思いますが、個人利用の場合はわざわざ法人用のプランを契約する利点はないです。以降の比較からは法人用プランは除外します。
Microsoft 365 PersonalとFamilyには、永続版のMicrosoft Office Professionalに含まれるアプリ(Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Access、Publisher)に加えて、1人あたり1TBのOneDriveクラウド領域が提供されているのが最大の特徴と言えます。
さらに、アプリ内でAIを活用するCopilot Proを利用したい場合は、必ずサブスク版のMicrosoft 365と契約する必要があります。
永続版とサブスク版のランニングコスト比較
Microsoft Office Personal(永続版) | Microsoft Office Home & Business(永続版) | Microsoft Office Professional(永続版) | Microsoft 365 Personal(サブスク版) | Microsoft 365 Family(サブスク版) | |
参考価格 | ¥37,700 (買い切り) | ¥43,980 (買い切り) | ¥75,650 (買い切り) | ¥14,900/年 | ¥21,000/年 |
3年使用した場合に必要な費用 | ¥37,700 | ¥43,980 | ¥75,650 | ¥44,700 | ¥63,300 |
4年使用した場合に必要な費用 | ¥37,700 | ¥43,980 | ¥75,650 | ¥59,600 | ¥84,000 |
5年使用した場合に必要な費用 | ¥37,700 | ¥43,980 | ¥75,650 | ¥74,500 | ¥105,000 |
Microsoft Office Professional(永続版)と内容が類似しているMicrosoft 365 Personal(サブスク版)を比較すると、6年目にしてようやく初期投資の元が取れるという計算になります。つまり、1台のPCで5年間Officeアプリを使用する場合はMicrosoft Office Professional(永続版)を購入するよりも、Microsoft 365 Personal(サブスク版)と契約するほうがOneDrive(1TB)が付帯される分お得になります。
ただし、ユーザーによっては「Access」や「Publisher」がそもそも必要ない場合もあるので、次に検討すべきはMicrosoft Office Personal(永続版)やMicrosoft Office Home & Business(永続版)とMicrosoft 365 Personal(サブスク版)との比較になります……
ここまで読んでもうお分かりだと思いますが、永続版とサブスク版を単純に比較するのは非常に難しいです。一つだけ言えることは、「Microsoftは損をしないように上手いこと価格設定をしている」ということくらいでしょうか。
ここからは視点を変えて、使用環境や優先したい事項別におすすめのOfficeバージョンを紹介していきます。
使用環境や優先したい事項によって選ぶべき
そもそもMicrosoft Officeは必要?
Microsoft製のOfficeアプリにこだわらなくても、無料の互換Officeで事足りることもあります。簡単な文書作成や表計算でしかOfficeアプリを使用していないライトユーザーの方は、Microsoft Officeアプリを購入せずに、無料の互換Officeに移行しても良いかもしれません。
永続版かサブスク版、どちらを選ぶべき?
1.サブスク制(月額料金制)に抵抗がある?
2.Officeをインストールしたいデバイス(PC・スマホ・タブレット)の台数は?
3.One Driveは必要?
4.Officeアプリ内でAIを使いたい?
5.AccessやPublisherは必要?
永続版はどのバージョンが良い?
1.Outlook、Word、Excelに加えて「PowerPoint」や「Access」「Publisher」は必要?
PowerPointは必要だが、AccessとPublisherは不要
PowerPoint
Access
Publisher
すべて必要
※Microsoft Office Professional(永続版)の価格とMicrosoft 365 Personal(5年分)が同等の価格なので、サブスク版のほうがおすすめです。
サブスク版はどのバージョンが良い?
1.使用する環境は?
まとめ
Officeアプリを購入する際は、用途や使用環境によって最適な選択をしましょう。Officeアプリをインストールしたいデバイスの台数が2台までなら永続版がお得で、3台以上ならばサブスク版のほうがお得になる場合が多いです。あとはOneDriveのクラウド領域が必要か否かで、永続版にするのかサブスク版にするのかを決定しましょう。
また、今年中にMicrosoft Office 2024(永続版)が発売されることが決定しているので、永続版を購入予定の方は新製品が発売されるまで待つのも良いと思います。