Windows 10からWindows 11にアップグレードするためには、TPM2.0が有効化されている必要があります。PC正常性チェックアプリで調べた際に「TPM 2.0 がこのPCでサポートされ、有効になっている必要があります」と表示された場合は、BIOSの設定を見直しTPM2.0を有効化しましょう。
今回は各マザーボードメーカー別のTPM2.0の有効化方法をご紹介します。
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まずはTPM2.0がサポートされているのかを調べる
PC正常性チェックアプリで「TPM 2.0 がこのPCでサポートされ、有効になっている必要があります」と表示された場合は、まずはお使いのPCがTPM2.0に対応しているのかを調べましょう。
上画像のように、プロセッサの項目が「プロセッサは現在、Windows 11でサポートされていません」と表示された場合は、同様にTPM2.0もサポートされていない可能性が高いです。むしろ、プロセッサがサポートされていない時点で、Windows 11へのアップグレードは諦めるべきでしょう。
プロセッサの項目が「プロセッサはWindows 11用にサポートされています」と表示された上で、「TPM 2.0 がこのPCでサポートされ、有効になっている必要があります」と表示された場合は、TPM2.0を有効化することで、Windows 11にアップグレードできる可能性が高くなります。
TPM2.0に対応しているのかを調べる方法
1.スタートボタンをクリックし、すべてのアプリ一覧から「Windows システムツール」➔「ファイル名を指定して実行」の順に進みます。
2.「ファイル名を指定して実行」の名前の欄に以下の文字列をコピーして貼り付け、「OK」をクリックします。
tpm.msc
3.TPM2.0に対応している場合は、以下のようにTPM製造元情報の仕様バージョンが2.0と表示されます。
TPMに対応していないPCは「互換性のあるTPMが見つかりません」と表示されます。
2024年9月6日追記
「互換性のあるTPMが見つかりません」と表示された場合でも、BIOSの設定を見直すことでTPM2.0を有効化できることがあります。この表示はあまり気にせずにBIOS設定画面からTPM2.0が有効化できるのかを確認してみましょう。
TPM2.0がサポートされていることを確認したら、次はBIOS(UEFI)からTPM2.0を有効化していきます。
BIOS(UEFI)の画面に入る方法は、通常、PC起動時のメーカーロゴの画面で「F2」や「Delete」「F12」等を連打すると入れます。BIOS(UEFI)の画面に入れない場合は、「Shift」キーを押しながら再起動するとBIOS画面に入りやすくなります。
各メーカーのTPM2.0有効化方法
各メーカーのTPM2.0の有効化方法をご紹介します。機種によっては設定方法が違う場合もあるので、目安として捉えてください。
大まかな流れとしては、Intelの場合は「PTT」の項目を、AMDの場合は「AMD fTPM」の項目を「Enable」に変更すれば、TPM2.0が有効化されることが多いです。
ASUS
intelの場合
1.BIOS画面に入ったら、「F7」キーを押し、「Advanced mode」に切り替えます。
2.「Advanced(詳細) 」内の「PCH-FW Configuration」 を選択します。
3.「Intel Platform Trust Technology(PTT)」を「Enable」に変更します。
4.設定を保存して再起動するとTPM2.0が有効化されます。
AMDの場合
1.BIOS画面に入ったら、「F7」キーを押し、「Advanced mode」に切り替えます。
2.「Advanced(詳細) 」内の「AMD fTPM configuration」 を選択します。
3.「TPM Device Selection」を「Enable Firmware TPM」に変更します。
4.設定を保存して再起動するとTPM2.0が有効化されます。
ASRock
2024年9月6日追記
ASROCK製マザーボードは「F6」キーを押して「Advanced mode」に切り替えてください。画面内右上の「Advanced mode」ボタンをマウスで選んでも良いです。
intelの場合
1.BIOS画面に入ったら、「Security(セキュリティ) 」タブに移動します。
2.「Intel Platform Trust Technology(PTT)」 を「Enable(有効)」に変更します。
3.設定を保存して再起動するとTPM2.0が有効化されます。
AMDの場合
1.BIOS画面に入ったら、「Advanced(詳細) 」タブに移動します。
2.「AMD fTPM configuration」の項目を「AMD CPU fTPM 」に変更します。
3.設定を保存して再起動するとTPM2.0が有効化されます。
MSI
1.BIOS画面に入ったら「SETTING」内の「Security Device Support」を「Enable(有効)」に変更します。
2.設定を保存して再起動するとTPM2.0が有効化されます。
※Click BIOSの場合は「Settings」→「Security」→「Trusted Computing」→「Security Device Support」に進みます。Intelの場合は「PTT」を、AMDの場合は「AMD CPU fTPM」を「Enable(有効)」に変更してください。
GIGABYTE
intelの場合
1.BIOS画面に入ったら「F2」キーを押して「ADVANCED MODE」に切り替えます。
2.「Boot」のタブ内の「CSM Support」を「Disabled(無効)」に変更します。
3.一度設定を保存して、再起動します。再起動後、再びBIOS画面に入ってください。
4.再度BIOS画面に入ったら、「Settings」➔「Miscellaneous」の順に進み、「Intel Platform Trust Technology (PTT)」を「Enabled(有効)」に変更します。
5.もう一度設定を保存して、再起動します。再起動後、再びBIOS画面に入ってください。
6.再度BIOS画面に入ったら、「Settings」内の「Trusted Computing」を「 Enabled(有効)」に変更します。
7.設定を保存して再起動するとTPM2.0が有効化されます。
AMDの場合
1.BIOS画面に入ったら「F2」キーを押して「ADVANCED MODE」に切り替えます。
2.「Boot」のタブ内の「CSM Support」を「Disabled(無効)」に変更します。
3.一度設定を保存して、再起動します。再起動後、再びBIOS画面に入ってください。
4.再度BIOS画面に入ったら、「Settings」➔「Miscellaneous」の順に進み、「AMD CPU fTPM」を「Enabled(有効)」に変更します。
5.もう一度設定を保存して、再起動します。再起動後、再びBIOS画面に入ってください。
6.再度BIOS画面に入ったら、「Settings」内の「Trusted Computing」を「 Enabled(有効)」に変更します。
7.設定を保存して再起動するとTPM2.0が有効化されます。
TPM2.0が有効化できない場合は?
TPM2.0を有効化するためのメニューが表示されない時に考えられる原因は以下の2つです。
1.事前にBIOSアップデートをしておく必要がある
BIOSのバージョンが古いとTPMを設定するための項目が表示されないことがあります。BIOSファームウェアのアップデートをおこなった後にTPM設定ができるかを確認してください。ただし、BIOSアップデートはリスクを伴うため、自己責任でお願いします。
2.そもそもTPM2.0に対応していない古いマザーボード・CPUである可能性がある
古いPCをお使いの場合は、そもそもマザーボードやCPUがTPM2.0に対応していない可能性もあります。TPM2.0に対応していない場合は潔く諦めましょう。厳密に言うと「TPM 2.0モジュール」という外付けモジュールを付けて無理やり有効化する方法もありますが、難易度が高いのであまりおすすめしません。
まとめ
今回はTPM2.0を有効化する方法についての解説をおこないました。紹介した方法は、あくまでも一般的な設定方法ですので、機種によっては違う場合もあると思います。目安として捉えてください。
※上記操作が原因で不具合が起こっても責任は一切負いませんので、自己責任の範囲内でお試しください。