現在、中古パソコンの市場価格が暴落しています。1~3万円も出せば「そこそこの性能のパソコン」が手に入るので、衝動的に購入しそうになりますが、ここは一旦冷静になって考え直す必要があります。現在の中古パソコン市場には、注意が必要な「購入を避けるべきパソコン」が多数存在しています。
本日は「なぜ今、中古パソコンを買ってはいけないのか?」について、その理由を解説していきます。
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中古パソコンの価格崩壊
価格が暴落している理由
中古パソコンの価格が暴落している理由は明らかです。
それは、現在市場に流通している多くの中古パソコンがWindows 11には正式に対応していないためです。中古市場の在庫状況を見ると、体感で8割が「Windows 11に対応していない古いパソコン」で、残りの2割が「Windows 11に対応している新しめのパソコン」といった感じの割合になっていると思います。
消費者側が見極めないといけない
ここで注意しないといけないのが、「Windows 11に対応していないパソコン」にも、はじめからWindows 11がインストールされた状態で販売されていることがあるという点です。実際にAmazonや楽天等を見ていただければ分かりやすいと思いますが、例を挙げるならば、以下のようなパソコンが該当します。
「Windows 11がインストールされているのであれば、それはWindows 11に対応したパソコンではないのか?」と思う方もいるかもしれませんが、実はそうではないのです。
マイクロソフトはWindows 11の発表時、パソコンにインストールするために必要なハードウェアシステム要件を非常に厳しいものに設定しました。簡単に言えば「5年以上前のパソコンにはWindows 11をインストールできない」という方針が示されたのです。つまり、上画像のような7年前のパソコンには、本来であればWindows 11が入っていてはいけないのです。
では、なぜこれらのパソコンはWindows 11が入った状態で販売されているのでしょうか?
理由は、販売業者が“無理やり”Windows 11を入れたからに他なりません。Windows 10のサポート期限が2025年10月14日までなので、Windows 11を無理やりにでも入れて売り出したほうが「売れやすい」と判断したのでしょう。購入する側からすれば、迷惑な話です。
「正式対応していないパソコン」でWindows 11を使う弊害
「Windows 11に対応していないパソコン」でWindows 11を使うと、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- Windowsの更新でエラーが発生する(バージョンアップできない)
- 更新ができたとしても、パソコンが立ち上がらなくなる等の不具合が起こる
- 部品交換・BIOSアップデートをするとライセンス認証が外れて、OSを再購入する必要がある など
要約すると、「正式対応していないパソコン」でWindows 11を使い続けると予想外のトラブルに巻き込まれる可能性があるということです。
以下のページに詳しくまとめていますので、是非ご覧ください。
こんな中古パソコンは買ってはいけない
中古のパソコンを購入する際は、IntelのCore iシリーズの第8世代よりも古いパソコンは購入してはいけません。Windows 11に正式に対応しているCPUは、Intel Core iシリーズの「第8世代以降」です。商品ページの詳細欄にCPUが「第1世代」~「第7世代」と表記されている場合は、選択肢から外しましょう。
「intel Core i◯ 8000」と表記されている場合は、8000番よりも大きい数字のCPUを搭載したパソコンを選ぶと良いでしょう。
また、商品のCPUスペック表記が「Core i5」「Core i3」のみで詳細が不明瞭な場合もあります。このような場合も、ほぼ確実に「Windows 11に正式対応していないパソコン」である可能性が高いので、選択肢から外しましょう。
その他にも、Windows 11には「セキュアブート」や「TPM2.0」などの細かい決まりがあるので、購入前に有効化されているのかを確認することをおすすめします。「セキュアブート」や「TPM2.0」が何なのか分からない場合は、今は中古パソコンには手を出さないほうが無難かもしれません。
Windows 11のCPU対応状況については、以下を御覧ください。
ここまで読んで理解が難しい場合は、おおよその目安として「Windows 11に対応していないパソコン」は通常3万円程度で販売されており、「Windows 11に正式対応しているパソコン」は5万円以上で販売されていることが多いと思ってください。
中古パソコン推奨スペック | |
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CPU | intel Core i5、Core i7 第8世代以降(8000番より大きい数字) AMD Ryzen 5、Ryzen 7 Zen+以降(目安はデスクトップは2000番より大きい数字、APU(G付きのデスクトップ版CPU)とノートPCは3000番より大きい数字) 目安としては2018年以降に発売されたパソコン。 |
セキュアブート・TPM2.0 | セキュアブート・TPM2.0ともに有効化されている必要があります。有効化されていない場合は、パソコン購入後にご自身でBIOSの設定を変更する必要があります。無効化されたままでは、Windows 11のバージョンアップができません。 |
中古よりも安い新品
中古パソコンに5万円以上出すくらいなら、新品のミニPCを購入するほうが良いかもしれません。以下に紹介する機種は、OSがWindows 11でCPUがIntel N100プロセッサーなので、旧世代のCore iシリーズ並みに快適に動くと思います。
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これにディスプレイ、マウス・キーボード、スピーカー(イヤホン)を足せば完成します。総額も中古パソコンと同じくらいの価格に収まると思います。
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Linuxに転用するならアリ
価格が暴落中の中古パソコンにLinuxをインストールする場合は、今が狙い目かもしれません。しかし、もっと狙い目なのはWindows 10のサポート終了後(2025年10月14日以降)です。
サポート終了により行き場を失くすWindows PCが大量に出回ることが予想されるので、そのタイミングを狙うのも良いと思います。
まとめ
中古パソコン市場での価格急落に魅了され、手頃な価格で高性能なパソコンを手に入れようとする誘惑に負けそうになるかもしれませんが、冷静に考えることが重要です。今の中古パソコン市場は、まさに「買ってはいけないパソコン」が多く存在しています。今回はその理由と注意点について解説しました。