システム要件を満たしていないパソコンをWindows 11にアップグレードしてはいけない理由

Windows 10からWindows 11にアップグレードするためには「intel Core iシリーズの第8世代以上」などの厳しいシステム要件をクリアする必要がありますが、実際にはシステム要件を満たしていない古いPCでも強制的にアップグレードする「裏技」が存在しています。
しかし、最近のマイクロソフトの動向を見ていると、その「裏技」が徐々に通用しなくなっています。

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大型アップデートが降りてこない

システム要件を満たしていないPCは、一年に一度行われるWindows 11の大型アップデートの対象から除外されることがあります。現在、Windows 11バージョン22H2をお使いの場合は、サポート期限日の2024年10月8日までにバージョン23H2にアップデートする必要がありますが、システム要件を満たしていないPCには大型アップデートが降りて来ないことがあるので、手動で大型アップデートをせざるを得ません。

現時点では、回避策を講じてUSBメモリ経由でアップデートをすればバージョン23H2には上げられますが、これもいつまで有効な手段かは分かりません。今までの傾向から言うと、マイクロソフトはその辺りの基準を気まぐれに変更してきますので、今後PCが使えなくなることをあらかじめ覚悟しておいたほうが良いです。

毎年、回避策を見つけ出し、手動で大型アップデートをし続ける労力を考えると、新しいPCに買い替えたほうがマシだと個人的には思います。

2023年12月7日追記

システム要件を満たしていない古いPCをWindows 11バージョン23H2に大型アップデートすると、ドライバが提供されなくなるおそれがあります。ついに「古いドライバの排除」も始まったようです。ドライバが提供されない問題はPCの世代ごとに共通で起こる問題ではなく、機種ごと、個体ごとに起こるものと思われます。

Windows 7・8のプロダクトキーで認証がとれなくなった

マイクロソフトはWindows 7、及びWindows 8(8.1)のプロダクトキーを使ったWindows 10、11へのアクティベートを遮断したようです。これまではWindows 10、Windows 11を新規インストールする際に、Windows 7、 8(8.1)のプロダクトキーでも認証がとれていましたが、今後はそれが出来なくなります。

その範囲がどこまで及ぶかは現時点で不明ですが、過去に一度でもWindows 7からWindows 10にアップグレードし、認証を完了させたことのあるPCならば、影響はないものと予想されます。

  • Windows 7からWindows 10にアップグレードしたPCの「SSD/HDD」を入れ替えて、新規でWindows 10をインストールした場合に再認証されるのか?
  • Windows 7からWindows 10にアップグレードしたPCの「CPU」を入れ替えて、構成が変わった場合でも再認証されるのか?
  • Windows 7からWindows 10にアップグレードしたPCをWindows 11に強制アップグレードしても再認証されるのか?

この辺りが重要になってくると思うので、実際に検証してみて、後日別記事にまとめようと思います。

部品交換でライセンス認証が外れた場合は、OSを再購入する必要があります。OS代1.5~2万円の予算を古いPCに使うくらいなら、新しいPCに買い替えたほうが良いと思います。

古いCPUは排除される可能性がある

WindowsのアップデートはPC起動時に裏で自動で行われています。
現代のPCは常時インターネットに接続することが前提なので、気が付かないうちにOSが更新されていたということはよくあります。また、Windows 11は一年に一度「大型アップデート」を行い、OSの構成を大幅に入れ替えます。2023年9月時点での最新バージョンは「22H2」ですが、今年中に「23H2」にアップデートされ、来年は「24H2」(名称は変更される可能性はあります)になる予定です。

「もし、今後、システム要件を満たしていないCPUがWindowsのアップデートにより排除されたら?」

現時点で確定ではないですが、実際にこれと似たようなことが起こっています。20年前のCPUではすでにWindows 11のインストールに失敗する場合もあるようです。
システム要件を満たしていないPCは、今後Windowsのアップデートにより起動できなくなる等の不具合が起こる可能性があります。

2024年2月20日追記

HDD(ハードディスクドライブ)搭載のPCは排除される可能性がある

マイクロソフトは将来的に、HDDブートドライブのサポートを終了する方針のようです。簡単に言えば、「HDDにWindowsをインストールした場合、サポート対象から除外される」ということです。

現代のPCはSSD搭載が主流となっているのでほぼ関係のない話ですが、古いPCの場合はHDDにWindowsがインストールされていることなど極々一般的なことです。SSDが本格的に一般家庭に流通し始めたのは、ここ5年くらいの話です。

いずれはWindows 11のインストール時にSSDかHDDかのチェックが行われて、HDDの場合はインストールが続行できなくなると予想されます。

まとめ

大型アップデート、プロダクトキー、CPU、HDDと強制アップグレード後の抜け道が徐々に塞がれていることが確認できたと思います。
そもそも、なぜマイクロソフトはWindows11にアップグレードするためのシステム要件を厳しくしたのでしょうか?それは古いPCではセキュリティ面で問題があるからです。システム要件に「TPM2.0」「セキュアブート」等の条件が入っていますが、これらはWindowsのOSではカバーできない部分のセキュリティの話です。いくらOSが新しくても、機械が古いとそこを攻撃者に狙われる可能性があるのです。
マイクロソフトはシステム要件を満たしていないPCをWindows 11にアップグレードした場合、保証やサポートの対象外になるのはもちろんのこと、「更新プログラムを受け取る権利もなくなる」と警告しています。噛み砕いて言うならば、「もし強制アップグレードできたとしても、今後も継続して使用できるとは限らない」ということです。

現在、アップグレード対象外の古いPCをお使いの場合は、Windows11搭載の新しいPCに買い替えることをおすすめします。

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